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2011年4月12日 (火)

江戸糸あやつり人形座と結城座を見た。

東日本の大震災のあと、多くの演劇や人形劇が休演したり延期したり中止したりと舞台に関わる方は、大忙しの日々を送っていたのではないかと思う。さらに舞台に立っている人たちは、震災を被災した方々へ何をできるかということも考えているだろう。何ができるかはこれから先の話になっていくであろうと思う。
さて、その地震のさなか、今年の3月はなぜか、糸あやつり人形の劇団が立て続けに上演するようなスケジュールになっていた。当方で企画した19日の演目も糸あやつりの特集で考えていたが、会場が休館してしまったので、中止になった。これはいつか実現させたいと思っている。
状況は劇団によってまったく違い、ちょうど、震災の時に公演日だった「かわせみ座」は中止も延期もせず、上演して乗り切ったそうだ。
震災後、17日から下北沢で「江戸糸あやつり人形座」の公演があり、それは上演された。最終日を見た。
この劇団は結城座を抜けた結城一糸氏と先代の孫三郎こと田中純氏が組んで上演を続けている。結城座で培った技は見事で、魅了される。
見るたびに思うのは、子どもの頃から身につけた伝統の技はぶれが無く、表現がその上に加わって、とても楽しいし、目をはなせないところがある。伝統を守る劇団の枠を飛び出したことで、守ることより現すことに集中出来ているのかもしれない。遣い手がとても嬉しそうに遣っているのが印象的。
その結城座も3月中旬の上演予定がホールの地震をうけてのメンテナンスの都合で一週間遅れて初日をあけた。こちらは三島由紀夫の「現代能楽集」の舞台化。人形のデザインに漫画家、林静一氏があたっている。さすが女性の人形が美しい。結城座は役者と組んで舞台を作り上げることが多いのだが、今回は人形が全面に出ていて、原点に返った感じがした。
日本の伝統糸あやつり人形は人形遣が遣う部分が手板という平たい板にひょうたん型の穴が二つあけてあり、小さい板がシーソーのように動くような構造になっていて動かない部分と動く部分とそれぞれに糸がつなげてあり、人形のいろいろな動作を可能にしている。300年の歴史を持つ結城座とそこから新しい取り組みを生み出した竹田人形座がこの手板を基本にした伝統の糸あやつり人形で大きな流れをつくってきた。先に紹介したかわせみ座は竹田の流れをくむ。
文楽の伝統を守り続ける姿勢とは違い、糸あやつりの座は常に新しい挑戦を続けることが座の姿勢になっているのかもしれない。先進的な表現を探求し続け、伝統の遣い方や人形の構造を守りながら表現は常に新しいものへ目を向けている。伝統を壊すのではなく、その上に現代を表現する。
結城座、あるいは江戸糸あやつり人形座の公演があったらぜひ一度見ていただけるとよい。出来れば、古典と現代物の両方を見ていただけるとより楽しむことが出来る。

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